【HARLEY-DAVIDSON FLHTCU-TRIKE】
H-Dのラインナップ上ハイエンドに位置するウルトラクラシック・エレクトラグライドをベースに、
国内のビルダーさんによって三輪化(トライク)されたビックマシーンが今回の依頼車両です。
ただですら、ゴージャスなウルトラがこうなると、まるで高貴な馬車の様でもあります。
そんなイメージを残しつつも、キャンディーフレークやリアルフレーム等で更に着飾って、
ゴージャスでカスタム感溢れる一台に仕上げたいと思います。
普段目にする機会の少ないトライクですが、ウルトラベースでしかもリアセクションがフルカバードタイプとなると、
正直今回初めて見て触りました。
怒濤のスケール感!!
これだけの巨体なので、さすがにリバースギアが後付けされています、がっ!
間違った取り扱いをすると、んっ十万円の修理費用が必要だと告げられておりますので、
当然指一本触れる事は致しません(苦笑)
工場内の移動は全てニュートラルでの手押しが基本です。
意外にも三輪の安定感で想像以上に軽やか動いてくれたのが救いでした。
まずは取り外し作業から。
当然初めての作業、しかもアフターメーカー製と言う事でいつもとは違う脳ミソと注意力が必要となります。
何とか無事に取り外し終了!フゥ~(汗
オッと!リアカウルを支えるフレームの溶接部が結構ヤバい事になってます!
オーナーさんにご報告してビルダーさん対応となりました。
上のビビリ音の件にも関係していたかもしれませんし、何より危険なニオイがします。
今回発見できてラッキーでした。
備品類も元の付け方をキチンと確認しながら取り外していきます。
ボディーと干渉してビビリ音が出るとご相談を受けた箇所はカウルを削って逃がしてやります。
フレームの件で車両の引き取りです。
カスタム(改造)には純正品とは異なるリスクが大なり小なり伴う事になります。それはウィンカー1つとっても言える事です。
今回は偶然の発見とビルダーさんの迅速な対応のお陰で事なきを得ました。
僕はといえば、散在しているFPRカウルのダメージ(主にクラック)に手を入れていきます。
削って→ファイバー貼って→パテで整えて。
一通り手を加えたら、下地塗装へ
只今色合わせ中。
無限に存在する色の中から目的の色味を作り出す作業は塗装屋にとって最も難しい仕事の1つです。
何度も調合→試し吹き→確認を繰り返して、目的の色に近づけていきます。
歪みが気になるので再度下地のやり直しです。
手間と時間の掛かる塗装を重ねていきます。
地味ぃ~で神経を使う作業の連続です。
リアカウル以外のパーツも着々と。
ポリッシャーを使ってピカピカに磨き上げます。
まだまだ、磨きは続きます。
ウチの奥さんはマザーズでメッキパーツをキラっとクリーニング中です。
フレームもガッチリ補強されて帰ってきました。
これで一安心ですね。
塗り上がった品を慎重に組み付けて行きます。
配線は必ずしも同じ色で接続されている訳では無いので、後から分からなくならない様、
取り外し時にターミナル付近に対の目印を付けてあります。段取り次第で嫌な汗をかかずに済みます。
ドド~ンと完成です
ブルーのリアルフレームス、キャンディーフレーク、ロゴマークペイント、フリーハンドペイント、その他...で、
トラッドな印象は残しつつも、ゴージャスでカスタム感溢れるペイントに仕上がったと思います。
実際、車両を目の前にすると物凄いインパクトで僕なんかでは到底乗りこなせそうにない一台です。
この他にもオーナーさん所有の4輪も何台か見せて頂きましたが、どれも凄い車両ばかりで、それらがガレージにズラッと
並んでる姿を想像しただけでもそのスケール感に圧倒されそうです。
誰でもがオーナーになれる車両では決してないけれども、こういった車両が走っている姿を見るだけでも
何だかワクワクしてくるのは、きっと僕だけじゃ無いですよね。